状A海洋汚染の原因と防止対策B海洋環境保全に関係する主な法律などの解説があった。
このあと、海上保安協会製作のビデオ「未来への贈り物−美しい海を守る−」を鑑賞した。
最後に小樽の第一管区海上保安本部水路部から、特別講師として参加した監理課の長岡継係長が、流氷情報の提供業務のほか、水路図誌の知識として@水路図誌の種類A水路図誌の内容B海図の特徴などについて講演し閉会した。

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なお、鴛泊と沓形の会場には、(社)北海道漁船海難防止センター主催の小型船用常時着用型安全衣の啓蒙普及講習会も便乗しており、このあと一時間ほど、同センターの小沼勝郎事業推進主幹が安全衣の常時着用の必要性をビデオを交えて説明のうえ、同センターが二カ年にわたって研究開発した常時着用型安全衣の製品を紹介した。
〔礼文町船泊会場〕
礼文町には、船泊と香深の二つの漁業協同組合がある。船泊漁港は礼文島の北側にあって、漁協の組合員は約三百四十人。大半が二トン未満の一人乗りの漁船で、ニシンが去ってからはコンブ、ウニ、アワビ、タコなどの根付き漁業に従事している。五トン以上の漁船は約七十隻で、ホッケ底建網、タラ刺し網・延縄、サケ刺し網が主力である。漁獲物は、種類によって金沢、東京、千葉、札幌などへ保冷車で運ぶ(大谷敏夫・船泊漁業協同組合代表理事組合長談)。
講習会は、午後三時に始まり同四時半に終わったが、三十一人の出席者は最後まで熱心に聴き入っていた。質疑では、操業秩序に関する質問が出た。
越後さん(三十八歳)は「先月海中転落事故が起きたので、低体温の話は身近に感じた。海洋汚染に関する廃棄物や罰則の説明は勉強になった。津波の速度は海底の形状によって異なり、震源地から直進するものが最も早いとは限らないという話は興味深かった」と受講の感想を述べた。

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<編集係から>今回の講習会の開催と取材に当たっては、稚内海上保安部の皆さんの全面的なご協力頂きました。感謝申し上げます。

 

海上安全巡回講習会
本協会が日本財団の補助事業の一つとして実施している「海難防止・海洋汚染防止の周知宣伝」事業の中の活動の一つである。
海上安全巡回講習会は、広く海難防止および海洋環境の保全思想の普及と高揚を図ることを目的として、視覚教材を活用した講習や対話を通じ、海難や海洋汚染防止対策を参加者全体で考えるものである。漁業協同組合、公民館、企業の会議室等を利用して、地域に密着したきめ細かい活動をめざしており、講師には海上保安庁の職員をお願いしている。
この講習会は、当初会場に多数の人が参加しにくい辺ぴな小漁港を基地とする船舶の乗組員とその家族を対象に、巡回車で訪問して海難防止を呼びかける方式であったが、その後対象を海洋レジャー関係者にも広げ、内容も海洋環境問題をはじめ時の社会的な要求にこたえたものを取り入れいる。
本年度は、十九地区・七十五カ所で実施する計画である。昭和三十八年度に本事業を始めてから本年三月末までの巡回講習会の開催累計は、九百四十四地区、三千八百三十九カ所、参加人員は十九万三千四百三十四人である。
なお、本事業には、日本海事財団からもご支援を受けている。

 

 

 

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